3秒後、きみと恋がはじまる。


「もしもし!」


『あ、桃ちゃん?ごめんね急に。
校門の看板作りが間に合わないらしくて、人手が欲しいらしいんだけど、桃ちゃん来れる?』


「…あ、うん!わかった、行くね」



茜くんの隣にいられないのは、残念だけれど。
でも、私が実行委員やるって言ったんだから、ちゃんと仕事しないと!


バタバタと図書室に戻って、小声で茜くんに「ごめん、看板作りに行くね」と囁いて、慌てて荷物をまとめる。



「頑張って」




小声の茜くんの言葉だけで、私のやる気はマックスだ。

中庭でやっている看板作りを外が暗くなるまで手伝って、さあ帰ろうと立ち上がる。



「…そうだ桃ちゃん、各クラスの出し物の紙、提出した?確か今日までだったよね」



ふと思い出したような郁人くんの言葉に、さあっと血の気が引く。



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