3秒後、きみと恋がはじまる。
「その紙なら、さっき提出されてるけど」
「……へ?」
ほら、と生徒会長がプリントを見せてくれて、たしかに全ての欄が記入されている。
……綺麗な、右上がりの字。
もしかして。
「だ、誰が持って来ましたか!?」
「特進科の有村くんだよ。
イケメンだって聞いてたけど、近くで見ると本当に格好良かったなぁ」
「っ、わかりました!ありがとうございます!」
もう一度勢いよく頭を下げて、生徒会室を飛び出す。
茜くんが、書いてくれたんだ。
きっと私があの時、バタバタと図書室を出たときに、机の上に置きっぱなしにしてしまったんだろう。
それを見つけた茜くんが、記入して、提出してくれたんだろう。
……ずるい。
優しくて、大好き。