3秒後、きみと恋がはじまる。



「その紙なら、さっき提出されてるけど」

「……へ?」



ほら、と生徒会長がプリントを見せてくれて、たしかに全ての欄が記入されている。


……綺麗な、右上がりの字。
もしかして。



「だ、誰が持って来ましたか!?」



「特進科の有村くんだよ。
イケメンだって聞いてたけど、近くで見ると本当に格好良かったなぁ」



「っ、わかりました!ありがとうございます!」



もう一度勢いよく頭を下げて、生徒会室を飛び出す。


茜くんが、書いてくれたんだ。


きっと私があの時、バタバタと図書室を出たときに、机の上に置きっぱなしにしてしまったんだろう。

それを見つけた茜くんが、記入して、提出してくれたんだろう。



……ずるい。
優しくて、大好き。


< 235 / 265 >

この作品をシェア

pagetop