3秒後、きみと恋がはじまる。
「茜くんのクラスは文化祭なにやるの?」
「白雪姫だって」
「へえ〜!……それって雪音ちゃんが白雪姫?」
「そう」
そりゃそうだよね。
雪音ちゃんを初めて見たとき、白雪姫みたいだなって思ったし。
白い肌に黒い髪、赤い唇が綺麗だ。
「……茜くんは何かやるの?」
「俺はやらない。大道具とか作る」
「そっか」
王子様の格好をした茜くんは、見たいけど。
雪音ちゃんとキスする茜くんなんて、絶対見たくないもんね!
裏方でよかった……。
「お前はなにするの」
「私のクラスは巨大迷路だよ」
「へえ」
「……茜くん、文化祭一緒に回らない…?」
まあ、茜くん、そういうの嫌いそうだし。
そういう恋人みたいなの、嫌だって言われそうだし。
分かってたけど、どうしても一緒に回りたくて、ダメ元で聞いてみる。