3秒後、きみと恋がはじまる。
それから文化祭までは、とにかく忙しくて。
私は茜くんになかなか会えない日々を過ごした。
……茜くんが頑張ってるから私もと思って実行委員になったのに、茜くんに会えないって本末転倒じゃない!?
まあ、仕方ないか…。
それに、文化祭当日は、茜くんと一緒に回る約束もしたもんね!
……と、思っていたのに。
『ごめん、劇出ることになったから一緒に回れない』
そんなメッセージが届いたのは、文化祭の当日だった。
急いで茜くんのクラスに向かうと、みんな慌てたようにバタバタしている。
「ちょっと、今忙しいから邪魔しないでくれる?」
ツンとした声で言うのは、雪音ちゃん。
青と黄色のドレスに、赤いカチューシャ。
白雪姫の格好が、予想していた以上によく似合う。
「ど、どうしたの?」
「有村くんが王子様役になったから」
にっこり、と勝ち誇ったような笑みを浮かべる雪音ちゃん。
え、茜くんが王子なの!?どういうこと?