3秒後、きみと恋がはじまる。



そして、物語も終盤。
毒リンゴを食べて倒れてしまった白雪姫のところに、王子様が通りかかる。



ーー『あっ、あれは王子様!?』


小人役の男の子の声とともに出てきたのは、白いタキシードの茜くんで。


「きゃー!格好いい!」「有村くん〜!」なんて、女の子たちから耳がキンキンするくらいの黄色い歓声が聞こえる。


か、格好良い……!



ーー『なんて美しい姫だ』



茜くんに美しいって言われるなんて、羨ましすぎる……!



なんて思っているうちに、茜くんが横たわっている雪音ちゃんに顔を近づけて。

ゆっくりと近づく2人の距離は、まるで映画のワンシーンみたいに綺麗で。



それ、から。



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