3秒後、きみと恋がはじまる。



雪音ちゃんとキスしたことは、悲しいけれど。

だけど茜くんがいつになく素直だから、怒りは吹っ飛んでしまった。


……やっぱり私、この人が、好きだなぁ。




「…ねえ、茜くん、もしかしてだけど」


「なに」



「……私のこと、結構好き?」




勇気を出して、聞いたのに。
茜くんは私を見て、はぁ、とため息をついた。




「…わかるだろ、ばか」




ふい、と逸らした目に。
少し赤い頬に。

私の胸はぎゅうっと締め付けて、ピンク色の「好き」が溢れる。



「言ってくれなきゃわからないもん」




ちょっと調子に乗って、拗ねてみたら。
茜くんはまた、ため息をついて。





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