3秒後、きみと恋がはじまる。




「……桃、好きだよ」






ゆっくり、茜くんの、綺麗な顔が近づいて。

ダークブラウンの瞳から、目が離せなくて。



視線が絡まって、1秒後。


ドクンと心臓が跳ねて。


2秒後、呼吸することを忘れて。


3秒後、きみの唇が優しく触れた。




触れるだけの、とびきり優しいキスで。

冷たいきみからは想像もつかないくらい、甘く優しく触れたそれは。


ゆっくりと離れて、きみの温かい手が私の頬にそっと触れた。





「っ、茜、くん」




じわり、と目に浮かんだ涙は、嬉し涙だ。

茜くんはふっと優しく目を細めて、もう一度。




「……好きだよ」




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