3秒後、きみと恋がはじまる。
なにそれ。なんだそれ。
……ずるい。
「茜くん、実はめちゃくちゃ私のこと好きじゃん」
「うるさい」
口は悪いけれど。
ぶっきらぼうな口調だけれど。
否定はしないところが、茜くんの本音だって。
私、わかっちゃったよ。
「茜くん、大好き!」
「はいはい」
「茜くんも言ってよ」
「もう言わねー」
外では、後夜祭の花火が打ち上がる。
ピンク、赤、黄色、緑。キラキラと輝く光が、私たちを甘く照らす。
ふたりきりの後夜祭で、2度目のファーストキスをして。
私はまた、きみの甘い魔法にかかる。