3秒後、きみと恋がはじまる。
「ご、ごめ…」
重いだろうからすぐに離れようとするけれど、茜くんの腕がそうさせてくれない。
「楽にしてろ」
どうして、どうして急に優しくするの。
楽にするなんて、緊張してむしろ全然楽じゃないよ!
茜くんの紺色のカーディガンからは茜くんの匂いがして、それが苦しいくらいに胸を締め付ける。
冷たいくせに、意地悪なくせに、私に興味ないくせに。
それなのに本当は、すごく優しい人だってこと。
意地悪は優しさの照れ隠しだってこと。
……ねえ、私、わかっちゃったよ。