3秒後、きみと恋がはじまる。



「お待たせー!」
「おはよう」
「早速行こうか」


待ち合わせをしていた都内の駅でユリとスミレに会って、まずはショッピングに向かう。

可愛いコスメや服、アクセサリーなんかを見ながらおしゃべりするのが楽しい。



「ねえそういえば、特進科に転校生が来るらしいよ」


ユリの「特進科」という言葉に、可愛くて高いチークを見ていた顔をパッと上げる。

転校生が来るの!?



「どんな人なんだろうね」
「噂じゃ女の子だって話だけど」
「なんだ、イケメンが良かったなぁ」


話を進めるふたりに、考え込む。
女の子なのかぁ。

特進科って、すごいなぁ。
私も特進科に転入して、茜くんと同じ教室で授業受けたいなあ…なんて。



「特進科といえば、桃は有村くんとどうなの?」


ニヤニヤしながら聞いてくるスミレに、へへん!と胸を張る。


「連絡先、交換しちゃった!」


「えー!すごいじゃん」
「有村くん、全然連絡先教えてくれないって聞くのに」


「有村くんってどんなメッセージ送ってくるの?」

「え……と、」



ユリの質問に、言葉を詰まらせる。
私、茜くんからメッセージもらったことないんだよね…。



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