3秒後、きみと恋がはじまる。
なんだか怖いから、さっさと家に帰ろう!
と思って歩いていると、何だか気配を感じて後ろを振り返る。
なんだ、黒いスーツのおじさんが後ろを歩いていただけか。
暗くて人気のない道を歩いていると、なんだか全てが怖く感じてくる。
早足で歩いていると、後ろのおじさんも早足になる。
試しに少しゆっくり歩いてみたら、後ろから聞こえる足音も歩幅を調整したことが分かった。
もしかして。
……つけ、られてる?
急に怖くなって、歩く速度を上げると、うしろから早足の足音が聞こえてきて。
やばい、と思って近くにあったコンビニに駆け込んだ。
コンビニの中から外を見ると、スーツのおじさんはコンビニの前でスマホをいじりながら待っている。
ど、どうしたらいいんだろう…。
ここで出て行くのはバカだよね…?
お母さんに電話しようと思ったけれど、お母さんは今日は残業で帰りが遅くなると言っていたから、多分まだ家にいない。
ユリとスミレ……は、女の子だしふたりのほうが危ないよね。
だからといって男の子の友達もいないし…。
どうしよう、とメッセージアプリの連絡先をスクロールしていると、茜くんの名前。