3秒後、きみと恋がはじまる。
「特進科の転校生、すげえ美人らしいよ」
「え、見に行きたい。行こうぜ」
次の日。
噂の通り、特進科には女の子の転校生が来て、特進科だけでなく私たちの普通科までその話題で持ちきりだ。
なんたって、すごく可愛いらしい。
「どうする?有村くんに一目惚れしちゃったら」
ユリがからかうようにニヤニヤしながら私を見る。
全然、冗談に聞こえないんですけど…。
「困る…そんなに可愛かったら、茜くんもクラッときちゃうかもしれない…」
茜くんが、誰だか知らないけれど可愛い転校生の女の子と笑い合っている姿を想像したら。
…想像しただけで泣きそう。
「まあ、有村くんは女の子嫌いだから大丈夫だと思うけど…」
もう泣きそうになっている私に呆れたように笑うスミレがそう言うけれど。
でも、だって、わからないじゃん。
しかも特進科ってことは、きっとすごく頭がいいはずだ。
『バカな女、嫌いだから』
いつかの茜くんの言葉を思い出す。
バカな女が嫌いってことは、頭のいい女の子は好きなのかもしれない。