3秒後、きみと恋がはじまる。
「…私も頭良くなる!
特進科レベルの成績とってみせる…!」
自分の想像に落ち込んで突っ伏していた顔をガバッと上げると、ユリとスミレがびくっと肩を揺らした。
ごめんね、いつも驚かせて。
「…え、何言ってるの?」
「そもそも特進科と普通科のテスト問題が一緒なわけないじゃない」
「うっ…そうだけど、でも!
普通科で1番になったら、特進科の最下位と同じくらいにはなれるんじゃない!?」
よーし、俄然やる気になってきた!
『すごいじゃん。見直したよ。
……そういう頭のいい女の子、好きだな』
優しい顔をして私の頭を撫でながらそんなことを言ってくれる茜くん。
…を妄想しながら、へへへ、と笑みをこぼしていると。
「…いやいや、有村くんそんなキャラじゃないでしょ」
「だ、誰かと思った…」
怯えた顔のふたり。大丈夫。
私が普通科1位の成績をとって、妄想を現実に変えてみせるから!