3秒後、きみと恋がはじまる。
『そういう頭のいい女の子、好きだな』
…なんて言われる妄想をしている場合ではなかった。
忘れてたけれど私は、「バカな女」のほうだった。
さすがに勉強しないといけないと思って教科書をぱらぱらとめくってみても、何が書いてあるのかすらよくわからない。
この不思議な記号はなに…?
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「ちょっと桃、大丈夫?
そんなに落ち込まなくても、2連続で赤点なんてそうそう取らないから大丈夫だよ」
「そうだよ、今回はちゃんと勉強しよう!」
「ユリ、スミレ、ありがとう…」
こんな私を励ましてくれるなんて、2人はいい友達だなぁ。
…でも、私、中間テストの範囲もできなかったのに、それよりさらに進んだ期末テストができるなんて思えないよう……。
「ほら、放課後になったんだから茜くんのところに会いに行くんでしょ?」
「茜くんに会って元気もらって来な」
「うん…ありがとう…」
珍しく数学の教科書を入れたバッグを肩にかけて、よろよろと教室を出る。
2人はそんな私を心配そうに見つめていた。