3秒後、きみと恋がはじまる。


「ああ、あれは…普通科の人」


たぶん、雪音ちゃんが「あの子誰?」とでも聞いたのだろう。

茜くんはやっと私に目を向けて、少しなんて答えていいか迷ってから、そう告げた。


うん、普通科の人だけど。



「あ、三好桃です!普通科の2年生です」


雪音ちゃんと目が合ったから、慌てて挨拶して頭を下げる。
あんまりにも可愛いから、女の子同士なのに私も緊張してしまった。


「そうなんだ!初めまして。
私、今日転校して来た瀬川 雪音(せがわ ゆきね)です。よろしくね」




な、名前も可愛いなんて、すごすぎる。

白雪姫みたいな女の子だと思ったけれど、名前まで白雪姫みたいだなぁ。



さっきまで少し嫉妬でモヤモヤしていた気持ちも、あまりにも可愛い笑顔を向けられたせいで一瞬忘れてしまうくらいだ。

こんなに可愛くて、頭までいいなんて、すごいなあ…。



< 55 / 265 >

この作品をシェア

pagetop