3秒後、きみと恋がはじまる。
「また夜中に呼び出されたら迷惑だからな」
そんな意地悪な言葉で、優しさを隠して。
本当は温かいきみを知れたって、それだけで。
もうそれだけで、十分だ。
「昨日は本当にごめんなさい…。
でも大丈夫だよ!まだ明るいし。
茜くんはみんなと勉強して帰りなよ」
「…いーよ、別に」
「送ってもらうなんて申し訳なくてできないから!」
送る、送らなくてい、の攻防戦を繰り広げ、私が強引に茜くんの教室まで彼を引っ張って行く。
「あれ、茜と三好ちゃんまだ帰ってなかったの?」
驚くみんなと、不機嫌そうに私を睨む茜くん。
「……本当は茜くんと一緒に帰りたいけど、すごくそうしたいけど。
でも茜くんの勉強とか友達関係の邪魔したいわけじゃないから、いいの」
そう言って茜くんを見上げれば、仕方ないな、って顔をして眉を下げて笑った。
珍しい笑顔にドキドキしてしまう。