3秒後、きみと恋がはじまる。
「…じゃあ、家に着いたらメッセージ送れよ」
「え、」
「あと何かあったらすぐ電話しろ」
「わ、わかった!また明日ね!」
なんだかびっくりしてしまって、慌てて教室を出る。
……すごく、心配してくれてるのかもしれない。
そりゃあ、あんな夜中に呼び出されたら迷惑だったはずだし、もう嫌だよね…。
申し訳ないことしちゃったな…。
そう思いながらも、心配してくれたという事実に心がふわふわと甘くなるのは、不謹慎だろうか。
家に無事に着いて、茜くんに『家につきました!』とメッセージを送ったら。
『そう』とぶっきらぼうな返事が帰ってきたけれど。
いつもの数倍早く既読マークが付いたことに。
いつもは来ない返事が返ってきたことに。
私の頬が緩むのは、仕方ないことだと思う。