3秒後、きみと恋がはじまる。
「あれ、もしかして中間赤点だった?仲間?」
先生に声を掛けられて、やべ、と呟いた彼はすぐに隣にいる私を見つけて、にこにこしながら声を掛けてきた。
「……うん」
赤点だったって、改めて言われると、ちょっと辛い…。
少ししょんぼりとしながら頷くと、パアッと明るくなる櫻木くんの表情。
「イェーイ!俺ら一緒に頑張るんで!
期待してください先生!」
ハイテンションに私と肩を引き寄せる彼に、先生は呆れた顔でため息をついてそのまま去って行ってしまった。
て、テンション高すぎてついていけない…。
「あ、もしかして三好 桃ちゃん?
特進科の有村が大好きって噂の?」
「そ、そんな噂になってるの…?」
いや、事実なんだけど。
まあそうか。たしかに普通科の私が、特進科の、しかもモテモテで女嫌いで有名な茜くんに猛アタックしてるなんて、目立つよね。