3秒後、きみと恋がはじまる。



「茜くん、おはよう!」

「もう昼だけどな」



コンビニで買ったらしいクリームパンを食べている茜くんが、可愛い。

面倒くさそうな顔で一瞥されても、嬉しい。



…要くんはいつも茜くんとご飯が食べられて羨ましいなぁ。





「おはよう、三好ちゃん」

「おはよう。要くん」




要くんの方が、絶対に優しいし。
私にも笑いかけてくれるし、笑顔が爽やかだし。


…それでも私はどうしても茜くんじゃなきゃ嫌なの、なんでなんだろう。




「三好ちゃん、今日雰囲気違うね」


そう!そうなの、ナイス要くん!
ありがとう!と笑って、茜くんの反応を見るけれど。



「…そうか?」


興味なさそうにクリームパンをもう一口食べる茜くん。

…私の雰囲気が大人っぽくなったことになんて、興味ない、よね……。


なんだか浮かれたいた私がばかみたいで、しょんぼりしてしまう。




「あれー、桃ちゃん?」


と。後ろから声を掛けてきたのは、郁人くんだった。

テストの前の勉強会以来だから、久しぶりに感じる。


「郁人くん、久しぶり!」



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