涙の記憶
第5章

〜煙草〜

「柊真君、それ煙草だよね」

梨花は驚いた顔で柊真を見つめた

「え、あぁごめん。いつものくせで」

柊真は少し慌てた顔で煙草を箱に戻した

「いつも吸ってるの?」

梨花は柊真に言った

「仕事の休憩時間とかにね」

柊真はそう言うとブランコに向かって歩き出した

その後を梨花は追う

(...煙草なんて吸ってる人初めて)

梨花は一瞬、煙草をくわえた柊真を見た時
胸が少し高鳴った気がした。

でも、それが悪い事だと知っている。

「やめなよ」

梨花は無意識に声に出ていた

ハッとして柊真を見ると柊真は驚いた顔をした

(余計な事言ったかな...)

梨花は少し下を俯いた

すると

ポンッ...

頭に手を乗っけられた

「わかったよ、これから気をつける」

そう言って柊真はクシャッと笑った

遠くでジュースを買ってきた2人が手を振っているのが見えた。

その2人に手を振り返しながら

私の胸は大きく高鳴っていた。

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