恋色。



「どうしてピンクなの!?」

「そんな驚くこと?」

「晃佑とピンクって世界で一番かけ離れたものだと思ってたから…」

「なんだその表現」


晃佑から『ピンク』なんて言葉、生まれて初めて聞いたかもしれない。

筆箱の中身は黒でほぼ統一されているし、部屋の中もシンプル。

ピンクなんて、教科書の色以外、


「ないよね、うん」

「何が?」

「晃佑ってピンク知ってたの?」

「お前なめてる?」

「…どうしてピンクなの?え、もしかしてピンク好きだったの!?意外!?」

「おいおい勝手に話進めんなよ俺は真っ黒晃佑だから黒しか好きじゃねーよ」


安心した…。

いつの間に乙女晃佑ちゃんになっちゃったのかと思った。


「で、どうしてピンクなの?」

「どうしてって…



内緒」

「え、内緒はなくない?」

「別に俺が言いたくて行った訳じゃねーし、聞いてきたの侑南だし、モクヒケン」

「ななななにそれモクヒケ?もくもくって髭剃るの?」

「お前、本物のバカか?」

「ふぇ?」

「黙秘権。自分に不利なことは言わないことにすんの」

「え、ピンクって晃佑にとって不利なの?」


どういうこと?

ピンクが不利って?

ピンクアレルギー?


「…どういうこと?」


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