恋色。
「侑南早くしろよ」
「待ってお腹すいた!」
「寝坊したからだろ」
「だって昨日宿題おわんなくて!」
「あんなのすぐ終わるだろ」
相変わらず晃佑はわたしのことをバカにしてくるし、口も悪い。
けど、
「ほら、行くぞ」
「晃佑おはよう!」
「おせーよ」
文句を言いつつ。
前よりも優しくなった。
「ちょっと今日寒いよね」
「うん」
寒いけど、左手は暖かい。
自然に手を繋いでくれることが増えた。
「晃佑」
「ん?」
「時間やばい」
「ん?」
「8時過ぎちゃってる!」
「侑南のせいだからな!?」
「ごめんなさーい!!!!」
わたしのせいで毎朝は慌ただしく過ぎていくけど。
晃佑と一緒にいる時間はいつまでも
恋色に包まれています。
- fin -