恋色。
俺の侑南への気持ちは、好きになった頃から全く変わっていない。
中学生の時、ある女子から告られて、『好きな人がいるから』と断ったら、周りの女子から責められた。
『最低』
『意味わかんない』
好き勝手に言われて、そこそこ俺なりに傷ついた。
それから女子が苦手になったけど、侑南は俺に変わらず接してくれるし、何かあったら話を聞いてくれたし、俺にとって必要不可欠な存在だと気付いた。
それと同時に、初めて『人を好きになること』の意味を理解して、侑南のことが好きだってわかったんだ。
「そういえば藍の彼氏!2年記念日にブランドのアクセサリープレゼントしてくれたんだってー!」
藍ちゃんは、侑南の親友。
藍ちゃんは、高1の時にできた彼氏と今でも付き合っていて、その彼氏さんは2つ年上の大学2年生。
「大学生金持ってんな」
「はぁ…晃佑そういうことじゃないの」
「あ?」
「彼女を喜ばせようとか、こうしたら喜んでくれるかなとか、必死に考えてくれて、サプライズしてくれたんだよ?素敵じゃない?いいな〜、そんな素敵な彼氏が欲しい!」
女子はサプライズに弱いって聞いたことがある。
侑南もそのくくりの1人だ。
俺が焼きそばパンを3限と4限の間に買ってきてやっただけで、地から天に飛び上がったように喜んでくれる。
「女って単純だな」
「そこをどう喜ばせてあげるかだよ、晃佑。覚えときな?」
「うざいよ」
女は単純。
そういったけど、俺は侑南といるだけでいつも幸せだと想ってて。
男の俺も案外単純でバカだなって思った。