同期に恋して 〜ずっと片思い〜
早く心臓落ち着いて……。
私はそんな事を思いつつ、やりかけの仕事をさっと終わらせると、パソコンを閉じた。
その間も、ゆきちゃん達は涼真を誘っているようだった。
たしかに私を誘いに来てくれていたはずだったけど、断らない涼真はきっと彼女たちと行ってしまうだろう。
そう思い、私は小さく息を吐いて、笑顔を作る。
「みんなお先にね」
「あっ、お疲れさまですー」
可愛らしい笑顔がうらやましい。
好きになったばかりの彼女たちぐらいの時だったら、かわいらしく告白でもしてこの関係を変えるチャンスがあったのだろうか?
そんな事を今更思っても、まったく仕方ないのにそんな事が心に浮かんでは、必死にその思いを消す。
「ちな、お疲れなー」
笑顔で手をひらひら振る涼真に、やっぱりなと少しだけ寂しさと、悲しさが広がる。
でもそんな事ももう慣れっこだ。
そのままの笑顔を涼真に見せると、私は足早に会社を後にした。