同期に恋して 〜ずっと片思い〜
「へへ……涼真、ありがとう」
肉まんと涼真の暖かさが胸に広がり、私は泣き笑いをうかべた。
「ちなはさ……」
そう言って、私の頬を両手で包むとそっと、涼真は親指で私の涙をぬぐった。
「ちょ……りょ……」
肉まんを頬張っていたため、まともな言葉にならず驚いて私は目をみひらいた。
肉まんを口に加えている女など、どれだけ色気がないことだろう。ましてや涙できっとメイクもぐちゃぐちゃだと思う。
頬が熱くなるのを感じたが、固定されていて身動きが取れない。
「ちなはさ、一人でやろうとしすぎだ。もっと周りを頼れよ」
触れていた手を離すと、涼真はすぐにパソコンを取り出すと、私の仕事をしはじめた。
「涼真、ちょっと!疲れてるのに!いいよ」
そんな涼真に慌てて言った私に、涼真はジロっと私を睨む。
「ごめん」
「ごめんじゃない」
こちらを見ずにいった涼真に私は小さく呟く。
「ありがとう……お願いします」
「おう」
それだけをいうと、涼真は私をみて優しい笑顔をくれた。