同期に恋して 〜ずっと片思い〜
「美耶子いいよ。謝らなくて。本当にその通りだもん」
近藤千夏、27歳 ごく普通の会社員だ。
大学を卒業後、この輸入食品を扱う企業に入社5年目。
国内営業部の事務をしている。
ダークブラウンの長い髪だけが、人に自慢できるぐらいで、あとは至って普通だ。
そして、美耶子と同じく、同期の高遠涼真は私と違い、完璧な容姿を持った人間だ。
身長は180㎝ぐらいだろうか?男なのに、私よりぱっちりとした二重の目に、すっと通った鼻筋、色気さえある唇。
いつも社内の女の子からの告白が後を立たない、国内営業部のエースだ。
「まあ、仕事はできるし、顔もいいしね」
フォローするように言った美耶子の言葉に苦笑する。
「美耶子、本当にいいって。私だって自分がわからないんだから」