同期に恋して 〜ずっと片思い〜
どれぐらい呆然としていたかはわからないが、私は涼真はからかっただけだろうと思い込むことにして、服を着ると鏡を見た。

メイクは少し落ちているけど、まだ許容範囲で、ホッと息を吐いた。

意を決してそっと寝室に出ると、眼鏡をかけてダイニングテーブルで新聞を読む涼真が目に入る。

そして初めてここが涼真の家だと気づき、私はまた心臓が暴れそうになるのを何とか押し込んだ。

「ちな、ほら。顔洗ってこいよ。あそこのドア」
チラリと私を見た後、また涼真はまた新聞に目を落とす。

リビングに置かれていたカバンから、メイクポーチを出してお言葉に甘えて洗面所で顔を洗って、簡単にあったメイク道具で化粧をする。
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