同期に恋して 〜ずっと片思い〜
そしてリビングに戻ると、涼真はキッチンに立っていた。
「ちな、クロワッサンと、ベーグルのサンドどっちがいい?」
両手で私に見せながら、涼真は私を見る。
「ベーグル」
あまりにもいつも通りの涼真に、私も言葉は零れ落ちる。
「了解」
慣れた手つきでコーヒーを入れると、涼真はテーブルに置いて私に座るように促す。
「あのさ、涼真。なんがご迷惑をかけて……」
コーヒーを一口飲んでそう切り出した私に、涼真は顔を歪めた。
「本当だよ。お前、酒飲むときは、本当に気をつけろよ。何やっても起きなかった」
あー、やっぱり寝落ちして、そのままどうしようもなく、自分の家に連れてきてくれたことが分かり、私は落ち込んで俯いた。
「本当にごめんね」
しょんぼりした私に、涼真は小さく笑うと、私の頭をポンと触れた。
「いいから、早く食えよ。時間なくなる」