同期に恋して 〜ずっと片思い〜
「え?ごめん。何か予定あった?食べたらすぐ帰るからね」
そういって私は慌てて涼真の用意してくれたベーグルを口に運ぶ。
「はあ?ちなお前何言ってるの?今日は一緒に出掛ける約束しただろ?」
「え?」
そんな約束をしたのだろうか?
お酒って怖い!
なにか気持ちが駄々洩れるような事言ってないよね?
でも、せっかく涼真と出かけられるチャンスを逃したくなかった。
「あっ、そうだったね」
曖昧に頷いて、笑顔を見せると、涼真はジッと私の瞳を見据えた。
「早くラブラブになって結婚式で見せつけなきゃいけないもんな」
その涼真の言葉に私はコーヒーを吹き出しそうになり、なんとかそれを押さえると咳込んだ。
ぼんやりと、昨日結婚式にニセ彼として行ってくれる約束をしたことを思い出す。
その練習でも頼んだのだろうか?
「ちな、ほら大丈夫かよ?まったく」
涼真はティッシュを私に渡しながら笑っている。
「うん。大丈夫ありがと」
何とか咳が止まると私は、同期以上のような気がするこの関係に、頭が付いていっていなかった。