同期に恋して 〜ずっと片思い〜
その日は、本当に楽しくて大切にされているような錯覚を覚えてしまった。
ねえ?涼真?
私は同期以上?
そう問いかけたい気持ちを、今の関係を壊すのが怖くて聞くことはできなかった。
「じゃあ、ちな。また明日な」
車が私のマンションの前につくと、涼真はさわやかな笑みを浮かべて私を見た。
「涼真、本当にありがとう。すごく楽しかった」
イルミネーションも、イルカショーもどれもすごくきれいで、楽しくて私は興奮冷めやらぬまま、涼真の顔を見た。
「楽しんでくれてよかった」
そう言った優しい瞳に、私はまたもやドキッとする。
どれだけドキッとさせれば気が済むんだろう……。
私は、そんな事をおもいつつ慌てて視線を逸らすと、ドアをあけるためにノブに手をかけた。