同期に恋して 〜ずっと片思い〜
気まずくなりたくなかったから、告白をしてこなかったはずなのに、あの日以来どうしても、涼真を意識しすぎてしまっている自分がいた。

視線があえば、意地になって涼真より先に視線を外すようになってしまったし、以前のように気軽に飲みに行ったり、声を掛けれなくなっていた。

「ちな、昼?」

「うん」
社内で会えば、これぐらいの会話はするものの、自然な振る舞いができないまま日にちだけが過ぎていった。

「千夏、なにかあったの?」
さすがに美耶子がみても、私たちの空気に何かあったことがわかるようで、涼真が見えなくなったところで、私の顔を見た。

「うん……なんか……」
でもキスを意識してるとか、涼真が冷たいとか、うまく言葉がみつからなくて、言葉を濁した。




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