同期に恋して 〜ずっと片思い〜

「ほら」

それをまた食べたいと誤解されたのか、涼真は私の口にピスタチオを放り込んだ。

「おまたせ前菜ね」
加瀬さんの言葉で、目の前に美味しそうなチーズや、ピンチョス、サーモンのマリネなどいくつかの前菜がのったお皿が置かれた。

「うわ美味しそう」
ついこぼれ落ちた私の言葉に、加瀬さんはクスリと笑うと、私をじっとみた。


「美味しいよ。なにちゃん?」

名前を聞かれたとわかり、私は姿勢を正すと加瀬さんを見据えた。

「近藤千夏といいます。よろしくお願いします」

「ちなちゃんね」
加瀬さんは妖艶な雰囲気をまといながら、私をじっとみつめた。

「えっと、はい」
涼真しか呼ぶことない名前に、なぜか少しだけ違和感を覚えたが、少し微笑んだ。

「秀さんその呼び方やめて。ちなつだからこいつ」
「はいはい。千夏ちゃん、おいしいから食べてね。パスタももうすぐ来るから」
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