同期に恋して 〜ずっと片思い〜
「千夏ちゃんにも、素敵な彼氏ができるといいのにね。ね?みんな」
無邪気にふるまいつつも、優越感に浸る詩織に私はもう帰れるからと言い聞かす。
そこにいつものざわめきみいたいな声が聞こえて、私は反射的に振り返った。
なんで?
完璧なスーツを身にまとい、真っ黒のトレンチコートをまとった涼真に私は視線を外せなかった。
『だれ?なに?すごいかっこいい!』
いつものような女の子たちの声と、新郎の友人たちのざわめき。
そんなことすら慣れっこになっている涼真は、気にする様子もなく案内してきてくれた式場の人にお礼をいいつつ、こちらにむかって歩いてくる。