同期に恋して 〜ずっと片思い〜
「いやだ、髪ぐちゃぐちゃじゃない!」
笑いながら言った私は、涼真の腕の中でようやく安堵すると、体を涼真に預けた。
そんな私の髪を撫でながら、涼真は話を続けた。
「付き合ってくれるって言ったのに、社食で水田課長と楽しそうに話しているのを見て、イラついた。前の日に、キスもしたのにって」
「嫉妬……してくれたの?」
あの時の涼真の態度の意味が解り、私は嬉しくなる。
涼真の腕の中で、ゆっくりと見上げた私に、涼真は観念したように言葉を発した。
「したよ!してるよ!ちながいつも男と話すたびに、いつも嫉妬してたよ!」
「一緒だ」
ふふって笑いながら言った私の言葉に、涼真は「え?」と私を見た。
「私もいつも涼真が女のこといるのをみて、悲しかったし、ムカついてた」
素直に言った私の言葉に、今度は涼真が意味深な表情を見せた。
「じゃあ、少しは作戦は成功だったんだな」
「作戦?」
「俺が他の女の子たちと仲良くしたら、俺のこと気にしてくれるかなって思ってた」
その言葉に、気にするなどのレベルではなく、泣きそうになっていた私は軽く涼真を睨んだ。
「私のためじゃなかったの?」
「あっ、もちろんちなを守るつもりだった!でも、少しだけ、少しだけそう言う気持ちもあっただけ」
言い訳のようにいった涼真に、笑顔を向けた。