同期に恋して 〜ずっと片思い〜

仕事が忙しいとか、知り合いからペットを預かったからとか、何かしら理由をつけて女の子からの食事の誘いなどは断っているのは解っていたが、それでもやっぱり心が付いていかなかった。

でも、私も大人だし文句を言っちゃダメ、ダメと思っていたのだけど……。

昨日は受付の女の子がずっと涼真に触れていた。
それをさせている涼真につい腹がたってしまい、可愛くない態度を取ってしまっている。

涼真からすれば、なんで怒っているのかも言わない私に、困惑なのか呆れているのか……。

お味噌汁だけなんとか飲むと、私は美耶子を見た。

「モテない彼氏がよかったな……」

「ちょっと!千夏!」

「え?」
考え事をしていたのだろう、真後ろに涼真がいることなど全く気付いていなかった。

普通ならすぐに気づいたのに……。

慌てた時にはもう遅く、後ろにいた涼真は「そうかよ」それだけを小さく呟くと言ってしまった。
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