同期に恋して 〜ずっと片思い〜

私はなんとか素直になるんだなるんだと言い聞かせながら、窓際の席でコーヒーを持て余しながら、会社のエントランスに目を向けていた。

大好きな人があの場所からでてくると事実は、嬉しいはずだが、なぜか胸がざわざわと音を立てて落ち着かない。

どうしてこうなるんだろ?
同期のときもこんな風に待っていることは多かった。
その時はただただ嬉しかったのに……。

小さくため息をついてもうぬるくなったコーヒーカップを両手で持つも、すぐにテーブルにもどした。

「ブラックなんかにするんじゃなかったな……」
小さく呟いた私に、上から声が降ってきた。

「なんで?ちなブラックばかりじゃん」
ふわりと聞こえた声に、私は慌てて上を見上げた。
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