同期に恋して 〜ずっと片思い〜
「え……?」
抱いてくれないと思っていたのに、いざストレートに誘われると言葉がうまく出ず、また私は自分で自己嫌悪になる。
「そっか。じゃあ送ってく」
涼真は表情を崩すことなく、そう言うと歩き出した。
「ちがう……!違うの……」
もうすぐバレンタインを迎えるハートが溢れた町のど真ん中で、大きな声をだして泣きそうな私はまわりの注目の的だ。
クリスマスの時といい、ただでさえ目立つ涼真をさらに目立たせてしまっているのは自分だとわかってはいるが、そんなことは気にしてなんていられない。
「行く……」
顔はきっと真っ赤になっているだろう、つながれた手に私はギュッと力を込めた。
そんな私の頭を涼真はポンと触れると、「うん」とだけ言って私の手を握りしめた。
訳の分からない緊張が襲い、私は自分の下着を思い出したりグルグルといろいろ頭を駆け巡る。
そんな私を見て、涼真はクスリと笑い声を上げた。
「ちな。何を考えてる?」