【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
裏に書いてあるあらすじを見て、読みたい気持ちが高まった。

そして、脚立から降りようとした時だった。



ーーーバタンッ。



図書室の扉が開いた音がして、そちらに視線を向ける。



……え?

……どう、して……?


和泉くんが、いるの……?



「……あ」



こちらを向いた和泉くんと目があって、彼が声を漏らした。

私を見て、何故か和泉くんも驚いたような表情を浮かべている。



「えっ……と、あっ……」



頭が混乱して、パニックに陥った時、足が滑ってしまった。

落、ちる……っ。


そう瞬時に理解した私は、痛みに備えて目をきつく瞑った。




ーーーぎゅっ。




「……っ、ぶね」



……え?



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