【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



「じゃあ話しかけるだけでもいいからさ!」





なんでそんな……悲しそうな顔、してんだよっ……。


「おい、うるせえんだけどお前ら」



知らない間に、勝手に身体が動いていた。


どの立場からそんなことと思われるかもしれないが、咄嗟に、守ってやらないとと思ってしまった。



「ここ図書室な。気持ち悪い理由で居座ってんじゃねーよ」



俺の言葉に、男たちは気まずそうな顔をして、図書室から出て行く。



……気持ち悪いのは、どっちだよ。


なにやってんの俺、ヒーロー気取り?いつからそんな寒い思考になった?


それに、こんな女に、守ってやらないとなんて……何回騙されるつもりだ、俺は。


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