【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
《第2章》危険な合宿
一週間の幕開け
……よし、準備万端。
重たい荷物を持って、家の階段を下りる。
今日から、一週間の合宿がスタートする。
「お母さんお父さん、おはよう」
リビングで座っていた二人に挨拶をすると、二人が私の元へ寄ってきてくれた。
「おはよ静香。もう準備出来たの?」
「うん。今から行ってきます」
「も、もう行くのか……!?」
お父さんが、目に涙を溜めながら私を見ている。
「それにしても、静香が一週間も家を空けるなんて初めてだから、ママもパパも寂しいわ」
確かに、そうだな……。
あまり友達の家に泊まりにいくこともなかったし、修学旅行くらいしか家を空けた記憶がない。