【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「起こしてくれてありがとう。……ていうか、俺重くなかった?」
「いえ。全然気になりませんでしたよ」
「そっか……静香ちゃんのおかげで、久しぶりにゆっくり眠れた気がする。いつも目覚め悪いんだけど、今日は爽快」
「ふふっ、よかったです」
んーっと、伸びをして、もう一度微笑んだ先輩。
もう眠気は吹き飛んだようで、その姿に安心した。
合宿場所である宿屋に到着し、順次バスを降りてゆく。
わ……想像していたよりも、大きなところだなぁ……。
グラウンドも広いし、これならサッカー部も練習に専念出来そう。
「はい、集合!」
佐倉先輩の声で、バスの前に集まる部員さんたち。