【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「大丈夫大丈夫。雑用も一年の仕事のうちだから。それに、今二、三年が練習中だし一時間くらいなら連れて行っていいよ」
にっこりと微笑んでくれる佐倉先輩に、「ありがとうございます」と頭を下げた。
とても助かる……それに、人手が多いなら、3日分くらいは買い置き出来るかもしれない。
「えーっと、じゃあ柴原、適当に二、三人連れて行きな」
「ありがとうございます!」
佐倉先輩に肩を叩かれた柴原くんが、買い出し係を掴まえるため一年生の集まる場所へと駆けて行った。
その先に、和泉くんの姿も見える。
……座ってるだけなのに、かっこいい……。
思わず見惚れてしまっていた自分に気づいて、慌てて視線を逸らした。
だ、ダメダメっ……和泉くんのこと、考えないっ……。