【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
き、気まずいっ……。
五人で、一番近くにあるスーパーまでの道を歩く。
合宿場から徒歩5分と近場にあるのだけれど、その移動時間が途轍もなく長く感じられた。
後ろにいる、和泉くんの存在。
振り返ることが出来なくて、ただ真っ直ぐに前を向いて道を進む。
「静香さん、け、結構買うものありそうですか……?」
ぼうっとしていたのだろう。隣にいた健太くんに突然話しかけられ、ビクッとした。
「あ……はい、3日分くらい買い溜めしておこうかなって……」
「それがいいと思いますっ……!ゴールデンウィークにした合宿の時なんて、リナ先輩4日分買い占めてました……!」
あっ……なるほど。
だから一年生なのに、健太くんは合宿場について詳しかったんだ。