【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「あ……は、はい……」
そう、だよね……
でも、このまま辛そうな和泉くんをひとりにするのは……気が引ける。
……いや、私がそばにいる方が、和泉くんには悪影響かもしれないかな……。
うん、すぐに他のマネージャーさんが来てくれるだろうし……お任せ、しよう。
立ち上がって、佐倉先輩の後をついて行き、健太くんと部屋を出た。
「それじゃあ、俺他のマネージャーに頼んで来ます!」
「うん、お願い」
走って行ってしまった健太くんを見送り、私たちも自分たちの目的地へと歩く。
佐倉先輩はグラウンド、私は食堂。
途中まで行き先が一緒なため、並んで向かう。
「合宿、どう?疲れてない?」
「はい……大丈夫です」