【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



初日なのにいろんなことが起きて、少し戸惑ってはいるけど、疲れてはいない。


というより、今から仕事が山積みだろうから、こんなところで疲れてちゃいけないよね……!


リナちゃんの分、たっくさん働かなきゃ……!



「なんか部員に言い寄られたりしたら、すぐに俺に言ってね。俺の部屋、静香ちゃんの下の階だから」



冗談で言っていると思ったら、佐倉先輩は真顔で私の方を見ていて、返事に困ってしまった。


いい噂がないのは自覚しているし、私に言い寄る人なんて、いないと思うけど……



「ありがとうございます……」



心配してくれていることに対して、素直に嬉しく思った。


私の返事を聞いて、佐倉先輩はいつものように優しく微笑んでくれる。




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