【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「夜も一応、見回りで確認に行くね?部屋入ったりしないから、俺がノックしたら返事だけお願い」
「はいっ……!」
「静香ちゃんは、今から何するの?」
「あ……私は、夕食の支度をします」
そう返事をすると、佐倉先輩は驚いたように目を見開いた。
「え?料理作れるの?」
す、凄く意外そう……っ。
わ、私って、そんなに家事が出来そうにないイメージ、かな……?
前にリナちゃんにも、凄く驚かれた記憶がある。
「上手くは無いんですけど、一応少しだけ……」
人並みには、出来るはずっ……。
「へぇー、じゃあ俺、楽しみにしてるね」
佐倉先輩は、本当に嬉しそうな顔で笑った。
「静香ちゃんの手料理食べれるなら、練習も頑張れる」
そんなお世辞をプラスしてくれる先輩に、慌てて補足を入れた。