【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
食事の有無も聞きたくて、私は食堂のセットを終わらせ、和泉くんが休んでいる部屋へ向かう。
……起きてません、ように……っ。
和泉くんが起きてたら、何しに来たんだこいつって思われるかもしれないからっ……。
小さく、扉を3回ノックした。
けれど、中から返答が無い。
……あれ?
き、聞こえなかったのかな……?
そう思い、先ほどよりも気持ち強めにノックをしたけれど、やっぱり応答はなかった。
……?
不思議に思い、恐る恐る部屋の扉を開ける。
……え?
私の視界に映ったのは、苦しそうに布団で眠る、和泉くんの姿だけ。
マネージャーさんの姿は、どこにもなかった。
ど、どうして……?
あっ……もしかして、お手洗いにでも行ってるのかな……?