【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


「あっ……」

「あれ?し、静香さんっ……?」



その人影は健太くんで、私に気づいた健太くんが、トコトコと駆け寄ってきてくれる。



「どうしたんですか?こんなところで……」

「え、えっと……あっ、夕食が、出来たので、報告しに行こうかと……」

「え?もう出来たんですか!?」

「は、はい……。健太くんは……?」



なんとか話を逸らすことに成功し、バレないようにホッと息を吐く。



「あ、俺も仕事終わったんで、静香さんのお手伝いに、行こうと……」



私の、お手伝い……?


気持ちはとても有難いけれど、今は私の方も、分けられる仕事が無い……



……あっ……!



「あ、あの、それじゃあ、お願いしてもいいですかっ……?」

「は、はい!!俺に出来ることなら、なんでも!!!」



何故か満面の笑みを浮かべ、嬉しそうにしている健太くん。



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