【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
言い逃れできるかどうか、健太くんの顔色を伺うように見ると、納得したように頷いてくれた。
「そうですか。わかりました……!それじゃあ、任せてください!!」
よ、よかった……。
笑顔の健太くんに、押し寄せる罪悪感。
う、嘘ついて、ごめんなさい……!
心の中でそう呟いて、私は頭を下げた。
「ありがとうございます……助かりますっ……!」
顔を上げてにっこりと微笑むと、健太くんがぼっと顔を赤らめる。
……?
「い、いいいいいえっ……!!!お、お安いご用、です……!」
何故か噛み噛みの健太くんを不思議に思いながらも、私は和泉くんの部屋へと身体を向けた。