【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
そして恋が動き出す
付き合って、る……?
……だ、ダメだ、益々意味がわからないっ……。
「誰とですか?」
「……静香先輩と、佐倉先輩」
私は和泉くんの発言に、声を荒げずにはいられなかった。
「!?……つ、付き合ってません……!」
ど、どうして……!?
「え?」
和泉くんは、そんなありえない誤解をっ……!
きょとんと拍子抜けしたような表情で、わたしを見つめる和泉くん。
その瞳は、相当驚いているように見えて、なんだか気まずい空気が流れた。
わ、私と佐倉先輩が付き合ってるだなんて、一体どこからそんな誤解が……
「ど、どうしてそんなこと……」
首を傾げた私に、和泉くんは戸惑っている様子で、視線を泳がせている。